[楽しい 可愛い 子ども服 と 親子ライフ]のWebマガジン

COCOmag COLUMN _ “ファストファッションでもOK”な感覚と、メーカー・ブランドの“譲れない一線” (2017.09.22)

時折、思い出したように掲載されるCOCOmagコラム。超不定期掲載なのは、ひとえに編集部のサボり癖にほかならないのですが…今日は最近感じたところを書いてみようかと。

 
私事ではありますが、最近ランニングを再開しました。数年前に一度始めたものの数ヶ月で飽きてしまい、それ以来は特に運動もしていなかったのですが、ここに来てあらためて「やっぱり健康って大事」とか思い始めたもので。

数年前に購入したシューズは劣化が進んでいたので、国産スポーツブランドの直営店で足のサイズをきちんと計測してもらい、ビギナー向けのモデルをあらためて購入しました。運動不足なオジサンの超スローペースとは言え、走るとなると足腰への負担も大きい訳ですし、健康のために走って体を痛めたのでは本末転倒なので、そこはちゃんとしたものを。

で、ウェアなんですが数年前のものは既に処分してしまっていたので、一式を購入することに。とは言ってもひとまず必要なのは夏用トップス&ショートパンツ&ソックスくらいなのですが、有名スポーツブランドのものは当然のように機能性に優れている反面、そのデザインの「攻めてる感」というか「やってやるぞ感」というか「メラメラ感」というか、スポーツブランドとして当然のように追求している「本気度」が、どうにも私には合わないというか苦手というか…と感じてしまったんです。

 
いや、もちろんその機能性が優れているのは理解できるし、だからこその攻めてるデザインなのも理解できるのですが、私がそれを着るのは果たしてどうなのか。

早いランナーが着こなして颯爽と走り抜けるのならともかく、超スローペースのオジサンランナーには、そこまでの「本気度」は必要無いよね? だよね? …と自分に言い聞かせ、「ハデ過ぎず地味過ぎず、そこそこの機能性で、そこそこな価格」のランニングウェアを探し辿り着いたのは、某外資系ファストファッションブランドのスポーツラインだったのでした。

「まあ、またすぐに飽きちゃってランニングやめちゃうかもだし。もしそうなっても、これならさほどもったいなくもないし」とさらに自分に言い聞かせ、そのショップに足を運び試着してみると…「え、これでエエやん(大阪出身)」。

でもまあ、実際に走ってみないと何ともわからないしね、と購入し走ってみると「えー、ホンマにこれでエエやん(大阪出身)」となってしまい、結局それから数ヶ月が経過しています。今のところ飽きることなく週に数日ラン、1kmごとのペースも徐々に上がってきました。ちょっと膝痛くなったりするけれども。




こちらがそのランニングウェア。ブラック・グレー・ネイビーの単色アイテムのみ。どう組み合わせても、いたって地味です。

 
…とまあ、ランニングを軽く楽しんでいるレベルの私はファストファッションブランドのランニングウェアでも「これでエエやん(大阪出身)」となってしまっているわけで、「スポーツする=専門ブランドの専用ウェアが必要=これくらいの“本気度”が必要!」という考え方はそのジャンルの中では当たり前なことだけど、コンマ何秒を争うような「本気度」ではない私のような人にとっては、諸々が「そこそこ」のバランスのものでじゅうぶんなんだなと今回ランニングウェア選びを通じて感じたわけです。

そしてその上であらためて気付いたのは、この「“そこそこ”のものでじゅうぶん」なバランス感覚は、それを熱狂的な趣味や生きがいとしていない大多数の人たちが持つ最大公約数的ないわゆる普通の感覚で、今いろんなジャンルで言われている「昔のように物が売れない」ことの背景には、こんな「そこそこ」なラインで手を打ってもさほど問題がないものが世に溢れているということもあるんだろうな、ということでした。

 
子供服を含むアパレル業界全般でも「昔のように服が売れない」と言われ、その要因としていろんな事柄が挙げられているのですが、「ファッションが、服を買うことが趣味だ」と胸を張って言い切れるくらいのファッションギーク以外の人々にとっては、ファッションにおいても前述のような「そこそこ」のものでじゅうぶんなのは間違いないところでしょう。

そんな状況を踏まえ、子供服ジャンルでも「そこそこ」なラインを狙ったデザインや価格帯のアイテムをラインナップに加えるメーカー・ブランドが増加していて、もうそれは時代の流れと言うか、致し方ないところでもあるなあ…と感じるわけですが、キッズファッション専門メディアのCOCOmagとしては「果たしてそれだけが、子供服メーカー・ブランドが進む道なのか?」とも思うわけです。

 
今の時代、大抵のものは「そこそこ」で大丈夫だし特に問題がないとしても、どうしても譲りたくない一線、守っておきたいレベルというものは、やはりそれぞれにあるはずです。

私の場合はそれが足腰の故障のリスクを避けたい(切実)がためのランニング専門シューズ選びでしたが、例えばそれがマイカー選びなら「家族4人が乗車できるクルマならサイズもメーカーも拘らないけど、家族を守りたいから安全性能だけは高いものを」となるのかもしれません。

そして、そんな「譲りたくない一線、守っておきたいレベル」を満たしてくれるものを作ることができるメーカー・ブランドは、「そこそこ」なものよりもコストが嵩んでもユーザーが自らの意志で選択してもらえる存在になれるのではないか、と思うのです。

 
「じゃあ、子供服の“譲りたくない一線”って何なんだよ?」と聞かれると、私もまだちょっとこれだと言いきれない部分があるのですが…それは動きやすさや着心地に直結するパターンのデザインかもしれませんし、健康や環境に繋がる素材選びなのかも、はたまた子供用だからといって手を抜くことのない機能性へのコダワリなのかもしれません。

決して大きくはない日本の子供服マーケットの中で数多くのメーカー・ブランドが活動されていらっしゃるわけですが、その規模の大小にかかわらず「私たちが得意なのはこれ」と言えるポイントが、必ずひとつやふたつはあるのではないかと思います。

そのポイントをとことん活かしたアイテムを企画してみる、それをまとめたコレクションを構築してみる。そんな考え方や提案がユーザーの「譲りたくない一線、守っておきたいレベル」を満たすのかもしれませんし、そんなアイテム・コレクションなら、逆説的ではありますが「ファッションが趣味だ」と自ら言い切るファッションギークにも受け入れられるかもしれません。そして、そんなアイテム・コレクションをきちんとセレクトできるショップも然り、ではないでしょうか。

 
「こういうのが流行ってるらしい」「ああいうのがウケるらしい」という情報はなんとも耳に優しく惑わされてしまいがちですが、「って言うか、自分は何がしたかったんだっけ? 何が得意なんだったっけ?」という基本に立ち返ることが、アパレルや子供服を取り巻く今の状況を打破する、ちょっと遠回りのようで実は近道な解決策のひとつなのではないのかな?…というのが、展示会周りで見聞きした諸々と自分のランニングウェア選びを通じて感じた事柄でした。

 
…今回のコラムは子供服ファンの方々向けというよりもむしろ業界関係者目線の内容となりましたが、今後もまた定期的に編集部コラムを掲載していきたいと思います。コラムへのご意見やご感想(反論やご指導ご鞭撻も!)はこちらやCOCOmagの各SNSアカウントへのDMなどで、ご気軽にお寄せください。(あ、ランニングが趣味の方からのウェア・ギア・コース情報ももれなく。)

それでは次回のコラムもお楽しみに。

(COCOmag編集部・柳原)


★COCOmagオススメのキッズブランドから2017秋冬の最新コーディネートをピックアップ!!
[KIDS BRAND SELECTION]2017 AUTUMN & WINTER[PR]


★2017秋冬シーズンの最新キッズブランド情報はこちらから!
[2017秋冬シーズン キッズブランドカタログ]


★キッズブランド関連ニュースはこちらをチェック!


★キッズ関連イベント情報はこちらをチェック


©2017 COCOmag