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【INTERVIEW】キッズ&レディースブランド[frankygrow]デザイナー Chizさん_「手に取ることで、着ることで、子供もママも気分がポジティブになれる。そんなブランドでありたい」

色とりどりで楽しくなるカラーコーディネートや柄模様、そしてインパクトがあるけれど実は着回しやすいデザイン。そんな子供服とレディースアイテムで国内はもちろん、海外からも注目を集めるブランド・frankygrow(フランキーグロウ)

ブランドを運営する夫婦とそのファミリーが暮らす山梨県甲府市を拠点としながら、2015年には東京・表参道に直営ショップ「frankygrow Concept Shop」をオープン。そしてイベント開催や海外の展示会への出展など、子供服を中心にさまざまな活動を展開するブランドです。

今回のCOCOmagインタビューは、そんなfrankygrowのデザイナー・Chiz(チズ)さん。ブランドスタートのきっかけや、広く注目を集めるそのデザインについて、そしてブランドとしての今後をお聞きしてきました。
 
 
 

『人どうしの繋がりから、化学反応のようなステキなことが起きる。それがこの「frankygrow Concept Shop」』

 
COCOmag___COCOmagとしてfrankygrowさんのインタビューは今回が2回目、前回のインタビューは表参道の直営ショップ「frankygrow Concept Shop」オープン直後の2015年の3月でした。

ショップの運営は3年目に入られましたが、このショップのオープン前とオープン後では、ブランドに変化はありましたか?
 
 
frankygrow・Chiz(チズ)さん(以下、Chizさん)___ブランドの正式スタートは2009年としているんですけど、実はその前の2005年くらいからプライベートな活動として子供服作りは始めていたんです。なので、そこから10年目の節目に「frankygrow Concept Shop」がオープンして、ブランドとしても本当にいろんな変化がありました。

中でも特に嬉しいのは、このショップが人と人との繋がりや、いろんなきっかけが生まれる場所になったということですね。
 
 
COCOmag___それはやはり、ブランドとお客さんとの繋がりだったり、お客さんどうしの繋がりだったり?
 
 
Chizさん___そうですね、特に2年目からは自分でも歌の活動をしたり、マーケットイベントを開催していたアミーゴがショップスタッフとして入ってくれて、彼女に会いに気軽に立ち寄ってくださる方も増えたし、お客様どうしの交流も増えてきたと思います。

それと表参道・原宿エリアという場所柄、スタイリストさんやクリエイティブ系のお仕事をされている方が立ち寄ってくださることも増えたので、そのご縁で一緒にお仕事をさせていただいたり、イベントを開催したり、ということが増えましたね。





こちらが「frankygrow Concept Shop」。原宿キャットストリートから一本入った通りにあり、場所柄ファッション関係者や海外からの観光客の来店も多いのだとか。

 
 
COCOmag___今年7月に山梨で開催されるファッションショーイベント『FRANKY GROW 2017 COLLECTION “HIKARI”』も、そんな人との繋がりが重なって開催に至ったとか。
 
 
Chizさん___そうなんです!(笑)。もともとはアミーゴの旦那様が所属しているバンド・無人島レコードの「手の鳴る方へ」という曲を私が大好きで、そのPV制作をよくショップに来られているCATTLEYA TOKYOというクリエイティブユニットの方に依頼したのがきっかけで。

制作の打ち合わせの段階で「せっかくPVを作るんなら、お披露目のイベントを開催できないかな?」という話になって、イベントにするなら「アート+子供+ミュージック」というコンセプトでfrankygrowのファッションショーも同時に開催しよう!なんて感じでどんどん盛り上がって(笑)。




今年2月に「frankygrow Concept Shop」で行われた、無人島レコード「手の鳴る方へ」のPV撮影。バンドメンバーはもちろん、frankygrowを着こなしたキッズモデルが登場するPVは先日完成し公開されました。

 
 
COCOmag___企画を考えているときって、どんどん話が膨らんでいくのが楽しいですよね(笑)。
 
 
Chizさん___まさにそんな感じです(笑)。海外のランウェイショーみたいに美術館でショーができたらいいな…って考えていたら、ショップの内外装を手掛けてくれた同郷のYard Worksさんが「中村キース・ヘリング美術館」の方と知り合いで話を繋いでくれたり、よくショップに来ていただいている人気スタイリストの相澤 樹(あいざわ みき)さんにショーのスタイリングをお願いしたら快諾してくださったりと、どんどん話がまとまって。
 
 
COCOmag___それって、ショップがあったからこその繋がりですよね。
 
 
Chizさん___本当にそうですね、この場所でショップを構えたからこそ繋がることができた人たちと話をしているうちに、小さなアイデアがどんどん大きくなって、さらにいろんな人が繋がって形になったような感じで。

もともとブランドとしては「常にチャレンジしよう、何もやらないで後悔するよりも、やってから反省しよう」というスタンスで、このショップをオープンすることもチャレンジのひとつだったんですけど、今回のイベントはそんなチャレンジを繰り返してきたことがひとつの形になるような感覚です。…とは言え、まだ決まっていないことも多くて、いろいろ考えている最中なんですけどね(笑)。
 
 
COCOmag___まあ、イベント当日まではまだ日にちはありますし…(笑)。

でも今回のような大きなイベント以外にも、ショップでワークショップなどを定期的に開催していらっしゃるし、ショップのInstagramアカウントを見ていても常に何か動きがあるような印象で、ヒト・モノ・コトの交流が盛んな場所なんだなと感じます。
 
 
Chizさん___そうですね、ブランドとしてショップを通じていろんな提案をするのは当然なんですけど、私たちが考えている以上にお客様のほうがこの場所を楽しんでくださっているというか、上手く利用していただいているというか。

例えば、店頭で提案したコーディネートを参考にアイテムを購入していただいたお客様が、今度は私にも思いつかないような自由な発想でそのアイテムを着こなしてショップに遊びに来てくださったするんです。

作り手としては、デザインに込めた思いや世界観はそれが世に出た時点である意味完結しているところがあるんですけど、お客様たちはそれを自由に解釈して広げていってくれていて、それをこの場所でリアルタイムで見せてもらえるんですよね。私がデザインしたアイテムなのに「こんな着こなし方もできるんだ」って気付かされたりもして、私自身もお客様から刺激を受けたりするんですよ。

そんな思ってもみなかったものだったり、いろんな人どうしの繋がりで生まれるものだったりといった化学反応のようなことを目にしたり、感じたできるのは、この「frankygrow Concept Shop」があるからこそだと思います。
 
 
 

『自分が変わることで、いま自分がいる環境も変えていこう。そんな気持ちで始まった子供服づくり。』

 
COCOmag___先ほど「frankygrowは個人的な活動から始まった」というお話が出ましたけど、そもそもはどんなきっかけでキッズブランドをスタートすることになったんですか?
 
 
Chizさん___そもそものきっかけは、自分が母親になった頃に遡るんですけど…13年前に長女が生まれたのをきっかけに、それまでは興味がなかった子供服の情報を、いろいろ集め始めるようになったんです。

でも当時の山梨は子供服ショップが少かったし、InstagramみたいなSNSもまだ無い時代だったので、なかなか情報も集まらなくて思い通りに子供服を楽しめなかったところがあって。周りのママたちももちろん同じ状況だったから、幼稚園に行ったり子供の友達どうしで集まったりすると、殆どの子供が同じブランドのものを着ていたりして(笑)。
 
 
COCOmag___その頃だと、キッズブランドの数も今ほど多く無かったはずだし、いろいろ組み合わせるというよりは全身をワンブランドで固めるようなコーディネートが盛んなときだったんじゃないですか?
 
 
Chizさん___そうですね、ママたちはそれぞれの趣味で好きな服を着ているのに、子供たちはほぼ同じスタイルだったりして、私自身はそれがとても不思議な感じだったというか「子供たちの服はもっとバラバラでもいいはずなのに」って思っていたんですよね。

子供服ってママが自分でしたくてもできないコーディネートや、着たくても着れないアイテムを子供たちに着せることで、自分の夢の世界や希望を子供に託している部分があるじゃないですか? でもその選択肢が少ないから、みんな同じような着こなしになるんだな、どうにかならないのかな? って思っていましたね。
 
 
COCOmag___自分の子供がオシャレしてキラキラしているのを見れば、親は必ず嬉しい気分になりますもんね。でも、そんな気持ちになれる子供服の選択肢が少ない、と。
 
 
Chizさん___それがすぐに「子供服を作ろう!」というきっかけになった訳じゃないんですけど、子育てしながらそんな気持ちがずっとどこかに引っ掛かっていて。

それプラス、これはとても個人的なことなんですけど…長女が生まれた翌年に長男が生まれて、そのときは私もまだ20代で、小さな子供二人の子育てと毎日の生活のことで、正直気持ちが参ってしまっていた時期があったんです。
 
 
COCOmag___年子のお子さんだと小さいときは余計に目が離せないし、何かと手が掛かりますもんね。
 
 
Chizさん___ですね、今は夫のヒロユキと一緒に夫婦でブランドを運営していますけど、その当時彼は会社勤めをしていたので帰りが遅かったりもして…って、これはちょっと当時の愚痴になっちゃいますけど(笑)。

言葉にすると重くなっちゃうんですけど、小さな子供二人を抱えて軽く絶望感というか、「何だか思っていたのとは違うな〜…」って感じる日が続いた時期があったんです。
 
 
COCOmag___えーと…理想と現実のギャップ、それもちょっと深いやつって感じでしょうか。
 
 
Chizさん___ええ(笑)、そんな感じで気分的にも落ち込む日が続いていたんですけど、いろいろ考えを巡らせているうちに「もともと何もなかった自分が、今は母親になって子育てをしている。母親になれている」と思うようになって。

もちろん、まだ子供たちは小さいし完璧な母親ではないかもしれないけれど、自分が母親になるなんて数年前までは思ってもいなかった私が、今ではこんなに子供たちのことを考える毎日を送っている、この変化ってすごいことだなって気づいたんです。

そう思うと、自分が母親になって考えが変わったり環境が変わったみたいに、この状況も自分次第で変えていけるんじゃないか…というか、変えるしかないんじゃないか? くらいに思えてきて。
 
 
COCOmag___落ち込んでいろいろ考えた分、逆にポジティブな気分になれたというか。
 
 
Chizさん___ほんと、そんな感じでしたね。何か始めよう、自分が変わることで自分がいる環境も変えていこう、と強く思うようになって。

とは言え、子供たちがまだ小さかったのでフルタイムで働きに出るのではなくて、自分の手で始められることはないかな?と考えていく中で、自分が子供服を作ることで、さっきも言った子供服の選択肢の少なさをちょっとだけでも解消できるんじゃないかなと思ったんです。
 
 
COCOmag___それが2005年頃のことなんですね。子供服作りを思いつくということは、服作りについて専門的に学んだこととか、アパレル業界の経験があったからなんですか?
 
 
Chizさん___実はそれが、全く知識も経験も無くて…(笑)。
 
 
COCOmag___おぉ、それはかなりチャレンジな…(笑)。
 
 
Chizさん___今から思えば、本当によくチャレンジしたなと思います。中高生の頃には人並みにファッション誌を読んだり、自分好みのブランドを着たりはしていましたけど、専門的な知識はほとんど無くて。

だから、子供服を作ろうと思い立ってまず初めにしたことは、高校の頃の同級生だったアパレルデザイナーの友人に「どうやったら服は作れるの?」って聞きにいくことでしたから(笑)。
 
 
COCOmag___ゼロからというか、むしろマイナスに近いところからのスタートというか(笑)。
 
 
Chizさん___ええ、本当に(笑)。その友人が服作りの基本的なことを教えてくれて、それから生産をお願いできる縫製工場を探していく中で少量生産でも請け負ってくれる工場に出会えて、パターン作りや生地の手配もその工場に教えてもらったりして…と、いろんな方に助けてもらえることが続いて、なんとかファーストコレクションを作ることができたんです。
 
 
COCOmag___それからも、数シーズンはブランドとして大々的に活動したわけではなかったんですよね?
 
 
Chizさん___そうですね、初めのうちは自分の子供に着せたり、友人知人のネットワークの中で販売していたんですけど、数シーズン続けていると型数も増えてきて、ひょんなことから当時よく足を運んでいた子供服ショップさんの店頭に委託で置いていただけることにもなって。

その頃には山梨の自宅の一部を改装したアトリエショップで直接販売も始めていたんですけど、そこでfrankygrowのアイテムと一緒に並べる雑貨を仕入れるためにいろんな展示会に足を運ぶうちに「frankygrowも展示会に出てみたら、もっと多くの人に見てもらえるのかも?」と思うようになったんですよね。
 
 
COCOmag__初めて展示会に出展されたのは、合同展示会の「Playtime TOKYO」でしたよね?
 
 
Chizさん___はい、2010年の8月に開催された、2011SS コレクションの展示会でした。

その少し前の2009年には子供服・ベビー服の通販雑誌にも掲載していただけるようになっていたので、それがブランド「frankygrow」としての正式なデビューでしたね。

frankygrowとして2シーズン目の展示会出展となった「Playtime TOKYO 2011AW Collection」(2011年2月)でのブース。秋冬アイテムということで比較的落ち着いた色合いのアイテムと、ポップなカラーを多用したブース装飾との組み合わせが楽しい空間でした。
 
 
COCOmag___華々しくブランドデビューしたというよりは、本当に一歩一歩、前に進んできたような感じだったんですね。
 
 
Chizさん___そうですね、あのときの私の中の“絶望感”からfrankygrowが生まれて、そこから今まで、一歩一歩(笑)。

さっき、ブランドとしては何もやらないで後悔するよりもチャレンジするスタンスだといいましたけど、ブランドをはじめたことも、途中から夫婦でブランドを運営するようになったことも、この7月にファッションショーイベントを開催することも、すべてはチャレンジの繰り返しで、少しずつ進んできた結果だと思っているんです。

だからブランドとしてはチャレンジすることを止めたくないし、それを繰り返して成長していけたらと常に思っていますね。

こちらはブランドの正式デビューから5シーズン目となる2013 SSコレクション。ドットやストライプといった定番柄を大胆にアレンジするスタイルはこのシーズンでほぼ完成し、海外での注目度も高まりました。
 
 
 

『光と影みたいな、相反するもの。それをミックスするのが、frankygrowのスタイル。』

 
COCOmag___何も分からないところから子供服作りをスタートさせて、2009年の正式デビュー前を含めると10年以上ブランドを運営されてきている訳ですが、デザインやもの作りのプロセスは変化してきているんでしょうか?
 
 
Chizさん___確かに10年以上続けていると慣れてきた部分はあるんですけど、基本的にはあまり変わってはいないですね(笑)。

シーズンごとにコレクションテーマを設定しているんですけど、それも日常の中でふと浮かんできた言葉とか、心に留まったイメージが自然と結びついてテーマが先に決まるときもあれば、逆にコレクションの中で使いたい柄や色、素材が先に決まってからそれをまとめ上げてテーマにするときもあって、自分の中にも「こうでないといけない」というような決まりごとが無いんです。
 
 
COCOmag___じゃあ、シーズンごとに決まったプロセスを踏んでいくのではなくて、そのつど自由に発想してコレクションを作り始める感じなんですね。
 
 
Chizさん___そうですね、例えば今シーズンは、ピンク、マスタード、ミント、墨黒、リボン柄、クマガラ、ドット…という感じで先に使いたい色や柄が頭の中に浮かんできて、それをまとめると何だか懐かしくて、ちょっとだけダサ可愛い感じに思えてきて、最終的に「nostalgic pop(ノスタルジックポップ)」というテーマが決まったんです。

そんなふうにテーマが決まったら、オリジナルテキスタイルのデザインを私が頭の中で膨らませて、ラフ画に落とし込んだものをヒロユキがデータ化して生地作りに入ったり、アイテムのデザインは私がラフ画に落とし込んだものをもとに、パタンナーさんと相談しながらディテールを決め込んで具体的な形にしていったりして。

「nostalgic pop(ノスタルジックポップ)」がテーマの2017 SSコレクション。「POP」のアルファベットを立体的に表現したトップスや、ツブツブのテクスチャーが楽しいオリジナルファブリックのアイテムなど、どこかノスタルジックでポップなアイテムが揃うコレクションです。
 
 
COCOmag___Chizさんがコンセプトやアイデア、デザイン担当で、誰かと組むことでそれを形にしていく、というような流れなんですね。
 
 
Chizさん___ヒロユキはブランドの正式デビューの直前にブランドに合流したんですけど、それから独学でグラフィックソフトの使い方を身に付けたんです。今ではブランドのグラフィック面はすべて彼が手掛けてくれていて、テキスタイルのデザインも彼がいないと形にはならないんですよ。

パタンナーさんは社外の方なんですけど、初めの頃は「袖のカタチをこんなふうにしたくて、ボディのラインはこんなふうに…」みたいな抽象的なお願いで、かなり困らせてしまって(笑)。でもシーズンを重ねるごとに私のアイデアや言葉をとてもうまく汲み取ってくれるようになって、今では無くてはならない存在ですね。

例えば今シーズンもラインナップしているPENTAGON DRESSみたいな定番人気のデザインが何型かあるんですけど、それはそんなやり取りがなければ生まれなかったデザインですし。

とか言いながら、今でも「ここをくり抜いたらどうなるの?」とか「ここにギャザー寄せたら?」とか、私の頭の中で膨らんだイメージを形にしようとして、いろいろ困らせるようなお願いはしているんですけどね(笑)。

画像上が2017 SSシーズン、画像下が2016 AWシーズンのPENTAGON DRESS。シーズンごとに色柄や素材を変え、デザイン的にもリファインを加えながらラインナップされている、人気定番アイテムです。
 
 
COCOmag___そんな信頼を置けるスタッフに恵まれているのは、ブランドとしても強みですよね。
 
 
Chizさん___そうですね、そのほかにも、テキスタイルを作ってくれる工場さん、縫製工場さん…私一人だけでは何もできないので、社内・社外でいろんな人たちに助けてもらいながら、ひとつひとつ形にしていくような感じです。
 
 
COCOmag___そんなふうにいろんな方々の手を経て出来上がっているという毎シーズンのコレクションですが、個人的にはfrankygrowのコレクションには良い意味でのギャップというか、二面性があるように思うんです。

オリジナルの柄だったり、ユニークなシルエットだったり、常にインパクトのあるデザインが揃う一方で、子供たちが動きやすいデザインだったり、組み合わせやすいベーシックなカラーもきちんとラインナップされていたりして。

「SIMPLE POP!(シンプルポップ!)」というブランドの基本コンセプトも含めて、そんな二面性は意識して演出している部分なんですか?
 
 
Chizさん___「SIMPLE POP!」という基本コンセプトは、シンプルなものとポップなものという相反するものの融合がテーマなんですけど、これは頭を悩ませて捻り出したものではなくて、自然とそうなったという感じですね。

私自身がファッションに興味を持ち始めた頃はちょうど原宿ブランドの全盛期で、「milk」とかのアイテムをよく買っていたのと同時に、ユーズドのアイテムも同列に組み合わせていたんです。ブランドのアイテムを選ぶのと同じくらいのテンションで、古着屋で可愛いくて面白いものがないか探して、周りとはかぶらないようにいろんな組み合わせを考えたりして。

そんな相反するものをミックスする感覚は、ファッションに興味を持ち始めた頃からの影響で無意識のうちにあるんだと思いますね。
 
 
COCOmag___じゃあ、二面性はあまり意識的に出している部分ではない?
 
 
Chizさん___あ、でも今言ったこととはちょっと相反するんですけど、frankygrowをスタートさせた当時の私の気持ちを、コレクション全体やアイテムのデザインの中で表現しようと意識している部分はあると思います。

さっきブランドをスタートさせた頃のお話でも言いましたけど、何もないところから子供服作りを始めたのは、そうすることで自分がいる環境を変えようとしていたからで、そのときは闇から光を掴むような気持ちでもあったんですよね。…って、ちょっと言葉にすると重い感じになっちゃいますけど(笑)。

そんな光と影みたいな相反するものが混在する状態は、ある意味でブランドのスタート地点を表しているようにも思うし、影になる部分やベーシックな部分がしっかりとあることで、光り輝く部分や遊びの部分がより引き立つんじゃないかとも思うんです。
 
 
COCOmag___光が強ければ強いほど陰は濃くなりますけど、それは常に比例しているというか、どちらか一方だけが強くなることはないですもんね。
 
 
Chizさん___そうなんですよね。だから、目をひく色や形のアイテムをデザインする一方で、着回ししやすいベーシック寄りなアイテムも自然と作っているような感覚です。今から思えばブランドデビュー当時のコレクションのほうがビビッドなカラーが多かったのは、私の気持ちがまだ少し暗かったことの表れかも知れないですけど(笑)。
 
 
COCOmag___まさか、あの明るいコレクションにそんな裏側があったとは(笑)。
 
 
Chizさん___まあそれは冗談ですけど(笑)、コレクション全体やアイテムひとつひとつのデザインには、私の中のポジティブな部分とネガティブな部分、そんな相反する気持ちや感覚がすべて投影されているんだと思います。

ブランドを運営していると頭を悩ませるいろんなことがあるんですけど、それよりもやっぱり子供たちに着せたいと思える服を作り続けたいという気持ちのほうが強いから、どんなテキスタイルやデザインの子供服があったら楽しい気分になれるだろうって考えるし、どんなショップにして、どんなイベントをすれば周りが楽しんでくれるんだろうっていつも考えるんです。

そんな、ネガティブなこともあるから却ってポジティブにもなれる自分の気持ちや感覚が、frankygrowというブランドとそのコレクションに現れているんじゃないかと思いますね。
 
 
 

『カラフルな服を着る子供の姿を通してママが夢を見てくれたら、前向きな気持ちになってもらえたら。』

 
COCOmag___ここまでfrankygrowというブランドの成り立ちや、一昨年にオープンした「frankygrow Concept Shop」についていろいろとお聞きしてきて、あくまで良い意味でですが、ポップで華やかなブランドイメージだけではなくて、実はかなり“熱い”ブランドなんだなと感じます。
 
 
Chizさん___あ、ひょっとして意外でしたか?(笑)。
 
 
COCOmag___いえいえ、そういう意味ではないんですけど(笑)、コレクションを見ていると自然と明るく楽しい部分に目をひかれるじゃないですか、frankygrowというブランドは。
 
 
Chizさん___そう言っていただけるのは素直に嬉しいんですけど…子供を持ったことで子供服に興味を持ち初めて、今ではそれを仕事にできているのはとても幸せなことなんですけど、周りを見ればファッションについてのプロフェッショナルな方が本当にたくさんいらっしゃって。だから自分も、frankygrowというブランドも、もっともっとプロフェッショナルでないといけないと、いつも思わされるんです。

そのためには、常に注目してもらえるブランド、気に掛けてもらえるブランドでありたいし、そうであるためには毎シーズン良い意味で期待を裏切るようなデザインやテキスタイルを作っていきたい、ファンの方たちにはワクワク楽しい気持ちになってもらいたいと考えているんです。それが今言われた“熱い”部分なのかもしれないですね。
 
 
COCOmag___「何もしないで後悔するよりも、常にチャレンジしよう」がブランドの基本スタンスだと言われていましたしね。
 
 
Chizさん___それプラス、「いつも真剣にふざけています」とも言ってるんですけどね(笑)。

お陰さまで子供服作りを10年以上続けてこられて、今の状態はブランドをスタートさせた頃からすると夢のようでもあるし、「こうなるといいなあ」って思い描いていた状態に近づいてきているとも思うんです。

それはコレクション作りやショップの運営で協力してくださっている方たち、アイテムを取り扱ってくださっているショップさんたち、そしてブランドのファンの方たちがいらっしゃるからこそなので、お仕事としての苦労はあっても私自身が誰よりも楽しみながら、それこそ真剣にふざけながら(笑)いろんなことに取り組んで、その結果皆さんにワクワク面白がってもらえように、そしてハッピーな気分になってもらえるようにお返ししていきたいと思っていますね。
 
 
COCOmag___そんなChizさんのスタンスが、コレクションやショップを通じてこれからもどんどん広がっていけば良いですよね。
 
 
Chizさん___子育てって、いろんなことがあると思うんです。幸せな気分になることもあれば落ち込むこともあるし、私が実際にそうだったように、特に子供たちがまだ小さいときは尚更で。

でも、その大変な時期って逆に子供たちがまだ小さくて、その時期特有の何とも言えない愛らしさがある時期でもあるんですよね。

そんな時期だからこそ、いろんな子供服のオシャレを楽しめるはずだし、それを通じてママやパパが子供たちに対して夢とか希望を持ったり、今まで気づかなかった新しい発見をしてくれたら、そのときにfrankygrowの服と一緒だったらブランドとしてとても嬉しいんです。

これは私たち家族の実体験としてですけど、次男も入れての三人兄弟にfrankygrowを着せていて、もちろん私もfrankygrowを着ているので、天気のいい日に洗濯物を干していると色とりどりですごく楽しい気分になったりするんですよ。「なんか洗濯物がカラフル過ぎてすごいよー」なんて言って(笑)。



こちらは「frankygrow Concept Shop」店内の様子。色とりどりのアイテムが並ぶ様子は、確かに見ているだけでも楽しい気分になれそうです。
 
 
COCOmag___確かに、女の子も男の子もいるしサイズもバラバラで、いろんな色柄が溢れていて、かなり賑やかで楽しそうですよね(笑)。
 
 
Chizさん___そんな単純なことがきっかけでもいいんですけど、ママたちが「ちょっとしんどいな」なんて思っているときにfrankygrowの服を見たり手にするだけで明るい気分になったり、楽しい気分で過ごせるようになってくれたらなって思いますね。

子供服を通じて世の中の何かを変えたいとか、そんなおこがましいことは思ってもいないんですけど、私自身が子供服を手に取って、そしてそれと取り組むことでポジティブになれたように、ママたちにも子供服を通して子供たちに夢を乗せてもらえたら、それでまた前向きな気持ちになってもらえたらって思います。

そのためにも、ポジティブな気分になってもらえるようなコレクションを作りたいと思いますし、frankygrowとしては「子供」をキーワードにこれからもいろんなことを発信していきたい、チャレンジしていきたいって思いますね。

(取材・文/COCOmag編集部・柳原)


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